「偽物ではなく、既成概念の枠を超えた高級ファッションの舞台を作り上げたい」
ファッション業界を舞台に、“美”へ執着する女性たちの衝撃の悪夢を描いた本作を製作するにあたり、N.W.レフン監督が衣装デザイナーのエリン・ベナッチに伝えた言葉である。
豪華絢爛な有名ブランドがこぞって衣装協力し、これでもかとまでにこだわり抜いた、映画『ネオン・デーモン』のファッショナブルなポイントをこの度、劇中カットと共に余すところなく紹介。
主人公のジェシー(エル・ファニング)が首から血を垂らしソファに横たわっているシーンで着用している青いドレスは、エンポリオ・アルマーニの衣装。赤黒く流れる血とは対照的に鮮やかで艶のあるブルーが美しい。普段からファッションアイコンとして注目を集めるエル・ファニングも、「このシーンの青いドレスは印象的で好き!」と絶賛。
また、一流デザイナーに見初められファッションショーのトリに抜擢、大勢のベテランモデルがいる中、堂々たる姿でステージに立つシーンで着用している黒のロングドレスも、同じくエンポリオ・アルマーニのもの。
そして、純粋にモデルを目指すジェシーが、ついに自分の圧倒的な美しさに気づき豹変する、そんな表情が印象的なシーンで着用している、胸元が大きくカットされた挑発的でセクシーなトップスはサンローランのもの。
最後に、ジェシーに執拗なジェラシーを抱くベテランモデルのサラ(アビー・リー)とジジ(ベラ・ヒースコート)が並んで着用しているのは、今やその奇抜なファッションで世界中の注目を集めるレディ・ガガの御用達の“Marina Hoermanseder”というブランドのもの。
その他にも、COACH、サルヴァトーレ・フェラガモ、ヴィヴィアン・ウエストウッドも登場。今回レフン監督は、映画の中のメイクやファッションに関して、自分よりもトレンドなファッションに詳しいエルの意見をふんだんに取り入れた。
劇中に登場する衣装はどれも煌びやかでヴィヴィットな色遣いが目に飛び込んでくる、それでいて役者をさらに活かす色彩の効果が印象的だ。
レフン監督が手掛けるこの上ない映像美にさらに磨きをかける“本物”のファッショナブルな世界をご堪能あれ。
エリン・ベナッチ/Erin Benach(衣装):ライアン・ゴズリング出演『ハーフ・ネルソン』(06)で衣装デザインのキャリアをスタート。その後も、デレク・シアンフランス監 督作『ブルーバレンタイン』(10)、レフン監督作『ドライヴ』 (11)、シアンフランス監督作『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』(12)、クリスティナ・ヘンドリックス 主演『ロスト・リバー』(14)など、ゴズリング出演作の衣装を手がけた。
「ネオン・デーモン」ストーリー
誰もが目を奪われる特別な美しさに恵まれた16歳のジェシーは、トップモデルになる夢を叶えるために、田舎町からロスへとやって来る。すぐに一流デザイナーやカメラマンの心をとらえチャンスをつかむジェシーを、ライバルたちが異常な嫉妬で引きずりおろそうとする。やがて、ジェシーの中に眠る激しい野心もまた、永遠の美のためなら悪夢に魂も売り渡すファッション界の邪悪な毒に染まっていく――。
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 『ドライヴ』、『オンリーゴッド』
出演:エル・ファニング、カール・グルスマン、ジェナ・マローン、ベラ・ヒースコート、アビー・リー and キアヌ・リーヴス