美容家でタレントのIKKOさんを迎えたトークショーを開催
映画は、心に傷を負った正反対の女性2人が精神診療施設を抜け出して一緒に旅を続ける中、いつしかかけがえのない絆で結ばれていく姿を通して、女性達の幸せと友情を描いた人間ドラマ。おしゃべりで虚言症のベアトリーチェをヴァレリア・ブルーニ・テデスキが演じ、日本でもスマッシュ・ヒットを飛ばした『人間の値打ち』につづき、イタリアの名匠パオロ・ヴィルズィ監督と再タッグを組んだことでも話題を呼んでいる。
この日、本作の公開を記念し、これまでに数々の波乱万丈な人生を歩み、女性たちに生きる活力を与えてきたカリスマ美容家でタレントのIKKOさんがサプライズ応援に駆け付けた。黒のロングドレスにゴージャスな純白のファーを羽織ったIKKOさんが姿を見せると、会場からは驚きと大きな歓声の声が沸き起こった。
IKKOさんは「重たいシーンもあるんだけど、観ていると色々考えさせられて、最後は涙が止まりませんでした。人生は一度きり。色々なみなさんの角度で見ていただくといいと思います」と語りかけた。旅路の中で友情を育んでいく二人の女性たちについて、「何不自由ないセレブな暮らしをしていたけど愛を貰えずに生きてきたベアトリーチェと貧しさの中で自暴自棄に生きてきたドナテッラ。対照的な二人だけど、愛を渇望してる点で二人は同じ境遇なの。苦しみを抱えている同士って仲間意識が芽生えるものよね。理解者が1人でもいて、人生に光がちょっと見えるだけで勇気をもって頑張れるのよ」と共感を寄せた。
自身も30代の終わりに重度のパニック障害に苦しんでいたそうで、「メニエール病に顔面まひ、息もできなくて血圧も安定しなくて。雨の日の高速も怖くて乗れなかったり、どこにいてもお守り代わりに病院を探しながら生きていた」と切実な経験を吐露し、「その当時は付き合っている彼や仲間たちにもずいぶん支えられました」と明かした。
会場からの人生相談にも応じ、“ママ友からのマウンティングに悩んでいる”という女性に対して、「どんな世界にもマウンティングってあるから嫌よね。例えばファッションやブランドでマウンティングされているなら、高いもので勝負するのではなく、センスを磨いていくのも一つの手よね。あまりくよくよせずにサラッと受け流す心持ちが大切なのかも」とアドヴァイス。さらに、26歳の女性から「新たな出会いはどうやって作っていけばいいのか」と問われると、自身が福岡から上京してきてから、現在メディアに出るようになるまでを述懐。「私は20代で美容師を志してから、30代からヘアメイクに転身して、事務所を構えて弟子を持つようになり、40代でメディアに出るようになりました。その時々で自分の目標によって新しい出会いの扉が開いていったの。まずは、自分の仕事や家庭などテリトリーをしっかりと持って、趣味やお稽古ごとの中で新たな出会いを見つけていっては?」と優しく語りかけた。
最後にIKKOさんは、「誰でもみんな、どんな状況でも幸せは寄り添っているものだということを忘れないでほしい。幸せは隣にいるけど、気付かないのは自分自身なの。ドナテッラとベアトリーチェのように理解者によってその存在に気づかされるもの。持ちつ持たれつの関係がとても素敵な作品です」とPRした。終盤では、「歓びのトスカーナ、どんだけ~」「人生の苦しみなんて、背負い投げ~」「苦しいと思ってもまぼろし~」と名言を交えつつ得意のネタも披露し、観客の大きな声援にサービス精神たっぷりに応えた。
<STORY>陽光まぶしいトスカーナの診療所から自由を求めて脱走を図ったおしゃべりで虚言癖のあるベアトリーチェと自分の殻に閉じこもるタトゥーまみれのドナテッラ。それぞれ心に傷を負いながらも、旅を続けていく中で、いつしか掛け替えのない絆でむすばれていく―。