オフィシャルレポート

映画「永い言い訳」監督、広島で凱旋舞台挨拶!

西川美和監督、凱旋舞台挨拶。
元・広島カープのレジェンド、 衣笠祥雄のTシャツを着て登場!

報知映画賞でも作品賞、監督賞(西川美和)、主演男優賞(本木雅弘)、助演男優賞(竹原ピストル・池松壮亮)にノミネートされた映画「永い言い訳」。
観客の満足度も高く、リピーターが多いことでも話題を呼び、ロングランヒットを続けています。
今回は10月12日(土)に本作のヒットを記念した監督の舞台挨拶の様子をレポートします。

「永い言い訳」西川美和監督の舞台挨拶の様子

映画「永い言い訳」監督、広島で凱旋舞台挨拶!01

10月12日(土)、本作のヒットを記念して、西川美和監督が生まれ故郷・広島の上映劇場八丁座で舞台挨拶を行いました。
公開5週目にも関わらず、満員御礼となった会場に、西川監督は主人公の名前「衣笠幸夫」の由来となった元・広島カープの<レジェンド>衣笠祥雄の顔が入ったTシャツを着て登場しました!しかも衣笠氏本人が試写に来場した際に西川監督自らもらったというサイン入り。満員の客席は西川監督の強い地元愛・カープ愛に、大いに沸きました。
まず劇場への感謝の意を述べた西川監督は、主人公を演じた本木雅弘の意外な素顔や、本作も広島の実家に籠って書き上げたことなどを明かし、「これからも一作一作、世の中の流れを気にせず、自分らしく丁寧に映画をこしらえていければ」と、地元のファンの前で決意を新たにしました。

icon-comments-o 西川美和監督のコメント

今はシネコン時代ですが、中規模でこじんまりとした映画を作る私にとって、八丁座さんのように劇場さんが作品を選んでいいと思ったらじっくり長く上映をしてくださることは大変うれしいです。劇場さんにお客さんがついているのは素敵なことだと思います。これからも八丁座さんには頑張っていただきたいです。

今回は長いスパンの物語でしたので、自分の作ってきた映画で初めて、物語の中心軸に子供という存在をおいて、四季の移ろいを絵に撮りつつ、子供たちがどのように成長していくのかというのをじっくり撮って行きました。しかし、1年の撮影というのは大変お金がかかるので、少人数のスタッフ体制をとりました。

本木(雅弘)さんは、周防(正行)監督の『シコふんじゃった。』『ファンシィダンス』のイメージどおり。顔は二枚目なんですけれど、どこかコミカルで躍動感のある主役をできる方だと思っていました。
最近は『日本のいちばん長い日』で昭和天皇を演じられたようにシリアスな役が多くて、若い人たちには「シブがき隊のモッくん」ではなく(CMキャラクターの)「伊右衛門」のように背筋がピッと伸びたイメージだと思います。そんな二枚目の本木さんが、七転八倒して活路を見出していく話をやるなら、今しかないと思ったのです。

本木さんご本人は、この幸夫以上にねじれているのでそのまま演じるとお客さんに嫌われちゃうんじゃないかと心配していました。完璧なイメージと違って、毎日が言い訳だらけなんですよ。撮影中もカットをかけるごとに、あわわ!と言い訳を始めちゃうんです。そんな本木さんと1年間撮影をしていました。本木さんご自身が恥を晒しても今までとは違うステージに行きたいという思いもお持ちだったので、私もあれだけのキャリアのある俳優さんを相手にしても、言葉を選ばずグサグサとやらせていただきました。作品には、そんな本木さんが苦闘された結果、今まで見たこともない本木さん像がちゃんと表れていて、どこか憎めない、感情移入できるキャラクターになっているのではと思います。
自分が40歳までに生きてきた実感や、人間の生活に直結していないものを作る「映画監督」という虚業を職業にしていることでの自信のなさ、自分の存在意義への不安感を、幸夫という役に投影しました。中年になっても子供もいない都市型の生活をずっと続け、世間的にはちやほやされるけど、内面的には全く未熟なところを引きずっている人物像など、これまで40年生きてきて考えたことを投影させています。

司会からこの作品にはユーモアがあると言われて…

泣かせることよりも「笑い」はずっと難しいです。重たいテーマであるほど笑いは大事だと思っています。これからも頑張って、笑ってもらえる作品に挑戦できるといいですね。

最後に、広島のお客様へのメッセージ

この原作となった小説は、広島の実家に籠ってじっくり書いておりました。これからも1作1作、世の中の流れを気にせず、自分らしく丁寧に映画をこしらえていければと思っておりますので、『永い言い訳』ともども今後とも応援のほどよろしくお願いします。

「永い言い訳」あらすじ

人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(きぬがささちお)(本木雅弘)は、妻・夏子(深津絵里)が旅先で不慮の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。
まさにその時、不倫相手と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。

そんなある日、妻の親友の遺族――トラック運転手の夫・陽一(竹原ピストル)とその子供たちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る。子供を持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝きだすのだが……

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