オダギリジョー、大絶賛!「自分が主人公を演じたかった」名作『ゆれる』以来、10 年ぶりのトークショー実施!
『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』の西川美和監督が、『おくりびと』以来7年ぶりの映画主演となる本木雅弘を迎え、直木賞候補となった自らの小説を映画化する最新作『永い言い訳』(アスミック・エース配給)が現在全国で公開中です。
人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(きぬがささちお)(本木雅弘)は、妻・夏子(深津絵里)が旅先で不慮の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。まさにその時、不倫相手と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。そんなある日、妻の親友の遺族――トラック運転手の夫・陽一(竹原ピストル)とその子供たちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る。子供を持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝きだすのだが・・・
先般発表された報知映画賞・日刊スポーツ映画大賞でも作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞にノミネート。今年の賞レースを賑わせることが予想され、また鑑賞者の満足度が非常に高くリピーターが続出していることでも話題、ロングランヒットを続けています!
この度、西川美和監督と、西川監督の大ヒット作『ゆれる』(06年)に主演したオダギリジョーさんをお招きして、トークショーを実施致しました。『ゆれる』をきっかけに盟友として交流を深めてきたふたりの公の場でのツーショットは『ゆれる』以来10年ぶり。この10年間のそれぞれの活動や、役者論などを中心にここでしか聞けない濃いトークが繰り広げられました。
池袋・シネマロサにて行われた今回のトークショー、『永い言い訳』西川美和監督と、以前西川監督の『ゆれる』(2006年)で主演・早川猛をつとめたオダギリジョーが登場。西川監督が、オダギリを「とても信頼している俳優」と紹介すると、「嘘くさいですね(笑)。」と笑うオダギリ。一方オダギリも「西川監督のこの『永い言い訳』は傑作です。」とベタ褒めし、「嘘くさいですね、今の流れだと(笑)。」と監督も笑顔をみせた。
『永い言い訳』を二回観たというオダギリは、今回の西川監督とのトークショーに登壇するにあたり、06年の公開以来初めて『ゆれる』を観たそうで、「20代最後の作品で、十分に気合いを入れて臨んだはずなのに、今観ると自分がショボいですね。取り直したい(笑)。」とコメント。西川監督も「やり直すか」と息ピッタリの掛け合いを見せ、会場を沸かせた。
オダギリが『永い言い訳』での印象に残っている台詞を聞かれると、「本木さんの『そうでしょう?』は、あれは台詞ですか?本木さんのリアルな口癖だから。」と本木の素の姿を知る者ならではの質問を投げ、「本木さんには幸夫役がピッタリ、本木さんが幸夫じゃなかったら観ないですもん。」と、本木の役のハマりっぷりを証言。「僕、本木さんから影響受けてるところが20%くらい…言い過ぎか、17%くらいあるんですよ。芝居もそうだけどファッションとか。」と、以前より本木さんの大ファンであること明かした。
普段からオダギリの活躍に注目しているという西川監督は、「最近の作品を観ていると、私と一緒にやっていた頃はとんがっていたんだなと思います。」と話す。するとオダギリも「僕も『ゆれる』のメイキングを観ていて、自分生意気だなと思いました。」と若い頃の自分を振り返った。西川監督が「オダギリさんは良い緊張感を出してくる。目指しているものも近いものがあると思うし、同志として特別に思っています。」とオダギリへの信頼を見せると、オダギリも「こんな凄い作品撮ったら、次に撮りたいものがないでしょう。西川作品の完成形を見せつけられた気がします。観点が素晴らしく、同世代なのに西川監督は、研ぎ澄まされすぎています。拝みそうになっちゃった!」と絶賛。また、オダギリは「自分の演じた早川が歳をとったら、幸夫みたいな人間になるんだと思う。西川監督の作品が一本繋がっているように見えました。」と自身が主演した『ゆれる』と『永い言い訳』に通じる接点を語った。
息の合ったトークを繰り広げていたふたりだったが、トーク終了時間を司会者から伝えられるとオダギリは「僕、今日時間があるからまだできますよ。」と西川監督との久しぶりの再会に、笑顔で終わりを惜しむ姿を見せた。
出演:本木雅弘 竹原ピストル 藤田健心 白鳥玉季 堀内敬子 池松壮亮 黒木華 山田真歩 深津絵里
原作・脚本・監督:西川美和